• 世羅の家 Before写真1
  • 世羅の家 Before写真2
  • 世羅の家 Before写真3

創意工夫点

築約80年の中古住宅を購入。日本家屋が好きというご主人の意向により広縁のある和室はそのままにした。家の中心にキッチンを配置し家族がどこにいてもわかり,窓を開けると風が家の中を横切るようにした。新建材,クロスは一切使用せず無垢材,自然素材を使用。壁,床,天井全てに断熱を施し,壁,小屋裏の補強も行った。〝日本家屋に住む〞という住み方の文化を〝家族〞で継承していただきたいという思いでプランを行った。

選評

世羅の中心部に近い古民家を,空き家バンク制度を利用して取得し,子供たちをのびのび育てたいというライフスタイルに合わせ改修したこの事例は,今後の空き家活用のモデルとなろう。キッチンを家の中央に移し,生活の中心となるLDを南面させ断熱性能も含め快適性を高めた一方で,広縁に囲まれた10畳の座敷や玄関の間,建物の外観には手を加えていない。築80年の日本建築の魅力と現代の快適性の両立を図った点が評価される。