• マンションプロジェクトF ―土間から繋がるひとつづきの空間― Before写真1
  • マンションプロジェクトF ―土間から繋がるひとつづきの空間― Before写真2

創意工夫点

 40年を超え人生を紡いできた場所である。同じマンションに暮らす住民同士,交流が図られてきたという。集合住宅の7階にあって,長屋の庭先の様な,気軽に人を招き入れ談笑する仕掛け,「土間」を設けた。共用廊下から一歩足を踏み入れた先,かつて個室であったそこは,バルコニーへと放たれ半戸外となり,シームレス性を得た室内とも連続し,ひとつの空間となる。「土間」をきっかけにどんな交わりが展開されていくか楽しみだ。

選評

 新築当初から今日まで,約40年間住み続けているマンションのリフォーム。間取りの大幅な変更はせず,間仕切りは建具が収まる程度に内壁を残し引戸に変更している。全ての引戸を開け放つと,開放的で,部屋を風が通り抜けると共に,壁に収まる引戸は,来客等に応じて部屋の使い方が変えられるように設計されている。また,入口の「土間」を広くして,近隣住民との交流が図られるように工夫されている。床暖房や断熱性の向上,バリアフリー等に配慮されている等,高齢者世帯のリフォームの参考になる作品である。