• 思い出を引き継ぐ家 Before写真1

創意工夫点

 幼少の頃の思い出が詰まった実家。空き家となっていたが,この先も長く住み継いでいきたいという思いから移住を決意。これからの生活を見据えて,リビングや水廻りなど本当に必要な範囲の利便性向上に注力し,LDKを中心とした子育て世代向けの間取りに変更。長年の積雪により傾いた構造を立て直し,細部まで念入りに補強した。また,既存の古材や建具を活かし新旧の材が入り交じった造作は,家の歴史と新しさを感じられるデザインとなった。

選評

 建築主自身も幼少の頃生活した築100年の先祖の残してくれた家,長年の積雪により傾いた柱を立て直し,伝統工法であるため,耐震補強設計までは行われていないが念入りに補強壁を設けている。断熱性能も向上させ更に長く住む意識が伺える。外観は昔のままの山村住居であるが,玄関に入ると梁を表した吹抜け空間があり,奥の居間も天井を撤去しダイナミックな和小屋を表したゆとりを感じさせる住まいである。