創意工夫点

 敷地は福山市近郊に位置し,周辺は田園に囲まれた造成地での計画である。1階から2階まで包み込む大屋根で空間を構成した。合掌造りにした登り梁が室内から室外へと連続し,大きな開口部をとることで,外部を感じられる内部空間を設計した。8寸勾配の屋根断面が,内部空間のなかに高い場所と低い場所を生み出し,用途に合わせた居心地の良い天井高の空間を設計した。

選評

 団地内公園に隣接する,大屋根切妻の外観がシックな建物である。内部は登り梁を現しにしており,内装に広島県産杉材をふんだんに使用した広くて開放的な空間を,リビングから見上げることができる造りだ。南側に全面サッシを取り付け,気になる暑い夏の日差しを長く持ち出した軒先で遮りながらも室内には反射光を採り入れ落ち着いた暮らしのできる住まいである。