創意工夫点

 街中のRC3階建ての1フロアを、ご夫婦2人のための住まいとしてリノベーションを行った。小割されていた空間をワンルームとしてつなげ家中に光と風を導くこと、木や土という自然の素材に包まれた身体に優しい空間とすること、小さな居場所をちりばめ暮らしの中に快適な距離感をつくりだすことにより、心地よい暮らしの箱となることを目指した。RC3階建てという形式に世代を越え住み継いでいく可能性を感じている。

選評

 既存市街地に建つRC造3階建ての二世帯住宅。世代交代を機に子世代が3階から2階に住み替えることになり、計画されたリフォーム事例である。限られた空間の中で、諸機能を両サイドに集約し、中央に大空間を実現したシンプルなプランとなっている。障子の持つ特性をうまく生かし、視覚的に心地よい明るさを取り入れ、無垢フローリングとシラス土の壁天井や、収納をうまく組み込んだ小上がりの畳敷で、RC造を感じさせない上質な空間づくりに成功している。狭小RC建物のリフォームの好例といえる。