創意工夫点

 この住まいは,1階から2階まで包み込む大屋根で構成され,道路側からは一見すると平屋の様な佇まいとした。その屋根断面はそのまま室内に反映され,リビングは大らかな勾配天井となって2階の子供部屋へと連続していく。平面計画では,回遊性を持たせた家事・生活動線とし多様性をつくりだした。また建築主自らが塗装を行う“参加型の家づくり”とすることで,コストダウンを図ると共に住まいへの愛情を深めることに貢献した。

選評

 施主の希望する「光」「風」「白」「木」をモチーフに造られた家は,勾配屋根を利用した吹き抜けのリビングと和室や濡れ縁・庭に連続性を持たせることにより,小ぢんまりとした外観からは想像できない広がりと光に満ちた豊かな空間となっている。さらに,ダイニングキッチンと各部屋との回遊性など生活動線に対応した工夫も見られる。施主は自ら塗装を行うなど積極的に家づくりに参加しており,愛情溢れる「我が家」はこれからも大切にされるであろう。