創意工夫点

 南道路の接道7m,奥行き25mの南北に細長い敷地は,河口付近に位置し,河川氾濫浸水想定地域かつ地耐力の弱い土地であるため,地盤補強が必然となる地域である。この敷地に家族3人のための最小限住居を計画した。
 補強範囲と浸水被害を極力小さくすることを最優先し,1階を最小限の面積に留めた鉄筋コンクリート造とし,2階は軽く少ない材料とするため,近隣地域材を使用した木造とし,構造と仕上げを一体とした。
 敷地の持つ悪条件を克服しながら,新たな価値観や心揺さぶる提案に挑戦した。

選評

 河川氾濫浸水想定地域で地耐力が弱い7m×25mの敷地という制約の中で,浸水対策のため1階をRCとする一方,2階を木造かつミニマムなデザインの居住空間としてコストを抑え,安全性と機能性・居住性,さらには意匠性まで見事に融合させている。自宅をチャレンジングに造り上げた設計姿勢を称えたい。