創意工夫点

 既存の半分を解体新築することで,コストを抑えながら耐震牲をアップする計画としました。さらに解体する部分で使える構造材は残し,廃棄する瓦の一部を床下に敷き蓄熱材の代わりとして屋根裏暖気を取り込むシステムを構築しました。
 お母さんのことを考え,寝室・店舗・水周りの動線を短く改修し,引き戸を多用しました。南の庭は水ハケと日当たりが悪く,家との関わりの無い状況でした。そこで豆砂利を敷きコケの発生を抑え植樹の伐採をすることで,明るい庭となりました。これに面してお母さんの趣味の為の小さな部屋を設け,積極的に外と関われるようしました。

選評

 古い民家の改修計画である。全体の耐震性能を高めるため部分的に既存躯体を解体,新築部分を加え新旧をうまく対比させている。
 屋根裏換気や廃材の瓦を蓄熱材に利用するなど冷暖房負荷の低減を図る工夫や水はけの悪い庭に豆砂利を敷き明るく開放的にしつつ趣味の部屋と連携させるなど細かい配慮が随所に見られる点を評価した。