創意工夫点

 高台にある敷地の恵まれた周辺環境を活かす為,東西に長く建物を配し,開口部を大きく南に開けることで眺望と採光を取り込み,太陽の恵みを最大限活かし,人工エネルギーに頼らずに心地良い生活ができるよう配慮した。大らかに架けた屋根の下の広いデッキで各室を繋ぎ,様々な居場所を設け,小さいながらも自然を味方に,施主の日常生活の幅を大きく広げる住まいが出来た。日本社会の世帯の変化や多様化に対するひとつの応えである。

選評

 道路からの一段高い地形を最大限生かし,階段を上がるとシンメトリーな平屋が迎えてくれ,さらに建物の前面には特徴的なウッドデッキが階段状に配置され,和風モダンな印象を強調している。
 船底天井の中央の棟木に照明を埋め込み,広いリビングをより広く感じさせ,南面の開放的な大きな木製建具からの眺めが建物全体の価値観を高めている。