• 古さを慈しみ、若い世代が繋ぐ家 Before写真1

創意工夫点

 若いご夫婦が昭和の建築様式を新鮮に感じられ、中古物件をリノベーション。欄間や型ガラスの建具はそのまま再利用し、レトロな雰囲気を残した。田の字中央の廊下は収納スペースとし、各部屋の独立性を保っている。
 続き間の和室は大きなLDKとして対面キッチンが家族の中心となっている。全体の間取り変更に合わせ、急勾配の階段も位置を変えて緩やかなものに架け替え、安全性を高めた。水廻りや玄関も新しくし、近代的な機能は確保している。

選評

 空き家となっていた郊外の住宅を若夫婦が購入して再生した事例。床柱、欄間や建具を再利用して、昭和時代のレトロな雰囲気を受け継いでいる。一方、二間続きの和室を改装したLDKの壁面には、エコ素材(OSSBボード)を大胆に取り入れているのが印象的である。住まい手によるDIYを通じて、手を加えながら育てていく楽しさを感じる住まいであり、低廉な工事費により空き家を再生し、若年世帯の郊外への住み替えを実現した好例である。