• 街中のアトリエ付住宅「今と昔が出会った家」 Before写真1

創意工夫点

 築年数を経た狭小のRC住宅という制限の中で現代に合った暮らしやすさとレトロな洋館風の上質な空間を求めた。和室,キッチン,ダイニング,応接室と区切られていた空間を対面式のキッチンと一続きのLDに改修,トイレ前に小さいながらも洗面室を新設,身支度が楽に行えると同時にリビングからトイレが見える不便さを解消した。共働きのご夫婦が帰宅してすぐに着替えができて,くつろげるように1階に収納を工夫した。既存の建具の雰囲気と合う新しい建具を造作。古いものと新しいものを共存させた。


選評

 長い間空き家だった街中の狭小住宅を購入し再生した事例。アンティークな建具や照明を再利用し,それに合わせた洋館風の内装・建具工事を行うことによって,より一層,住まいの個性を効果的に引き出している。また,共働き夫婦が機能的に暮らすための水回りや収納の配置,駐車場を確保するための減築など,今の暮らしを快適にするためのきめ細やかな設計上の配慮もみられる。古さと新しさの共存が新鮮さを感じる住まいである。