• 焼山高台の古民家 Before写真1
  • 焼山高台の古民家 Before写真2

創意工夫点

 明治時代からの古民家をおじいちゃんの終の棲家として,また孫の代まで繋げる家に改修。冬の寒さと老朽化が一番の心配所だったが,断熱対策・構造補強対策をしっかりと計画し実現した。建物全体を外側から断熱材気密材で包囲し,内部の趣きある意匠を活かしつつ温熱環境を大きく改善。増改築部分を減築し本来の架構を再生,耐力壁等で適切に補強して安定感ある構造体に。また,日々楽しく過ごせるよう,家全体を暗くしていた内縁を外縁にしてLDKを明るく広く繋げつつ,天井高に高低をつけて奥行ある空間を演出した。

選評

 一度は建替え予定であった明治期に建てられた茅葺きの古民家。老朽化が進み改修するには高度な施工技術が求められるが見事に再生している。
 特に耐震対策として劣化した柱の一部を取り除き新しい材で補う伝統技法(根継き)と新設柱・耐力壁の設置で補強もしつつ,古民家の趣きを活かした意匠性も考えられている。何よりも施主の想いを大切にされており満足度も高くこれから次世代に残して欲しい作品である。