• 次世代への継承 古民家再生 Before写真1

創意工夫点

 漆喰仕上げの吹き抜け空間を設けることで,空間の広がりと明るさを感じられる計画とした。床のレベル差を修正したうえで,古民家ならではの柱や梁をそのまま生かし,大工による新しい造作とのバランスに配慮した。また,奥様が小さな子供達の様子を確認できる環境で家事を行えるように間取りを計画し,動線もなるべく簡素化している。

選評

 100年の時を刻んだ建築が次世代に引き継がれ,数十年いやもう一世紀と新たな歴史を積み重ねていくことに思いを馳せるとき,先人の技術力に敬服するとともに解体ではなく再生に舵を切った施主の決断とそれに応えた工事関係者の皆さんに賛辞を贈りたい。仏間を改修したリビングや敢えて既存の小屋組みを現したダイニングキッチンをはじめ,既存部分との調和を図りつつ,現代の生活様式にあった機能性・デザイン性を追求し,施主の満足度の高い再生を実現している。